巧みなブログ

国語教育を勉強していた社会人一年目のブログ

教科書検定と推し出版社

たまにはこういうことも…ね

 

学習指導要領

「学習指導要領」とかその改訂って一部の人以外は馴染みの薄いワードかもしれないのだけど、実は教育界隈、もっというなら国語界隈ではとってもホットなう、な話題である。

学習指導要領は各校種・教科の大まかな目標を定めるもので、これに基づいて学校ごとにカリキュラムが決められたり、色々な出版社が教科書を作ったりする。大体10年に1度くらいのペースで改訂されるため、これに伴って教科書も10年に1回あるいは2回程度改訂される。僕の世代でいうと、数学Cが廃止されたり物理I・IIが物理基礎・物理に変わったりしたのが、この指導要領の改訂によるものだ。

なぜこの改訂が国語界隈でホットなのか。端的にいうとめちゃくちゃ内容が変わるからである。僕がちゃんと国語に関して勉強するようになってからは初めての改訂であるためこれまでの改訂前後の雰囲気は分からないのだが、「戦後最大の大改訂」といわれてたりもするくらい、盛り上がって(バタバタして)いる。

指導要領改訂からの流れは以下のようになる。

  1. 学習指導要領が改訂
  2. 出版社がそれに基づき教科書を作る
  3. 教科書検定の審議会が開かれ、作られた教科書の合否が決まる
  4. 教科書が出版される
  5. 新しい教科書を使っての授業がスタート

おおよそこんな流れで教科書は作られるのだが、ちょうど昨日30日に3が行われた。

 

実用重視「現代の国語」 法令文、新聞記事も 教科書検定(時事通信) - Yahoo!ニュース

数学に料金プラン比較、国語に面接作法 新・高校教科書(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

「文学が教科書から消える」とか「契約書の読み方」とか様々盛り上がりはしているものの、教科書が出来上がってみないことには実際どのくらい変わるのか分からん、という状態だったので検定が終わるのを楽しみにしていた。

どうやら「水の東西」は教科書に残るらしい。またどの出版社も少なからず実用的な文章を盛り込んでいるようだけど、1つの単元として載るのか付録なのか等扱いは差があるのかもしれん。

まだこの記事に書いてあることしか知らないが、今のところ筑摩書房にとても好感が持てる。安易に実用文偏重に向かわない姿勢だったり、外国籍の未就学児童数に関する記事を載せたり。「国語の教科書ではこれを載せる・教えるべきだ」という考え方というか理念が自分に近い気がする。

これまでは自分が高校時代使っていた思い入れやその使い勝手の良さから桐原書店の教科書が推しだったのだが、筑摩に推し変せざるを得ないかもしれない。

おわり

先日無事大学院を修了しました。新しい教科書での授業が始まるのは令和4年度から。来年度はまだ旧過程での授業をすることになるので、未来の心配をするよりもまずは1年間ちゃんと授業をすることを考えたほうがよいでしょうね。社会人になっても気分転換にブログは書きたいと思っております、どうぞよろしく。